7号竿の製作⑤
11月2日(金)
今回は7号竿の製作シリーズの最終回です。口栓作りと仕上げの調整および磨きです。
まずは口栓作りですが、その事前作業として再度コミ調整を行います。胴拭き塗りを繰り返す程度ではあまりコミの径そのものが変わるほどではありませんが、やはり玉口内部には塗料が流れてしまいますので、それを棒ヤスリで削り取ります。そして、もう玉口の修正は必要ないなという程度に仕上げた段階で、口栓を削っていきます。
わたしの場合、竹を素材組する際に切り取ったひとつ上の竹の節(玉口の外径よりも少し細く、内径よりも太い)を使います。境界はまずマスキングテープで印をして、のこぎりで軽く線を引く程度に切り目を入れ、下側をヤスリやナイフで削って玉口の内径にあわせていきます。竹の穴には、つまようじや割りばしなどを削ってエポキシボンドで固定、余分な部分を切ってヤスリで整えて仕上げます。
口栓が完成したら次に、竿をピカールやコンパウンドを布につけてで磨きます。ピカールは金属磨きなので、粒子が粗く、やや曇り気味の光り方、コンパウンドは細かいので、ピカッと光らせることができます。どの程度の光り方にさせるかは好みでしょう。今回は黒色のうるし部分をもう少し光らせるためにコンパウンドで磨きました。他の部分も軽くコンパウンドをかけました。なお、写真のコンパウンドは、車用に買ったものを流用しているだけですので、お勧めという意味ではありません。
最終段階として、竿をついで曲がりがあれば、軽い火入れをして調整することになりますが、まだ現段階では塗装は完全に乾燥しているというわけではないようですので、1~2週間後に完全に乾いてからやる予定です(完全に乾く前にやって塗装が浮くと嫌ですので・・・)。
まずは完成した7号竿の仕様を書いておきます。
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(長さ)
(玉口径)
(込み長)
(込み元径)
手元(3番)
840
7.3
n/a
8.9
穂持ち(2番)
840
4.9
90
6.2
穂先(1番)
790
1.0(1.3)
70
4.0(4.2)
※ 竿長: 840+840+790-(90+70)=2,310(約7.6尺)
※ 込み元径: 手元は握り手の先部分、他は各々の竿尻部から込み長戻った部分
(差込み完了部)の太さ。
※ 玉口径: 穂先の玉口径は穂先先端部の太さ。
※ 穂先: 穂先のカッコ内()の数字は塗装後。
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以前に製作した5号竿(3本継ぎ、8尺)とテーパーを比較してみました。6号竿でも砲弾型を目指しましたが、今回も5号竿よりも心もち砲弾型になっていると思います。穂持ちのテーパーはほぼ同じですが、手元のテーパーは緩やかに、そして穂先は逆にきつくなっています。
では肝心の完成写真を・・・。
60gのメタルジグを吊るしてみました。割りといい感じです。穂先はやはりまだまだですけど・・・。
あとは試し釣りですが、これはまた近いうちに行ってきたいと思います。ただ、しばらくへら釣りをやっていないので、この季節のエサもわからないし、釣れるかどうか・・・。
昨年の年末からへらぶな釣りを開始し、竿や竿掛けは買わないで作るということにして、道具作りもスタートしました。この10カ月間に竿7本と玉の柄3本を作ったので、計10本です(それ以外に、玉枠2つ、ウキ箱、絞り器も作りましたが・・・)。見本となる竿をほとんど持っていない中で、試行錯誤してやってきましたが、最初の1本から比べるとずいぶん進歩して、やっと竿っぽく(・・・)なってきました。
まだまだではありますが、ここまでの試行錯誤した作り方を一度まとめておきたかったので、文章にしました。また一定期間を経て、進歩を自分で感じることができた際には、作り方をまとめてみたいと思います。「こうした方がうまくいくよ」といった経験談などありましたら、教えていただければ幸いです。
以上7号竿の製作でした。
火入れ
7号竿の製作①
7号竿の製作②
7号竿の製作③
7号竿の製作④
7号竿の製作⑤
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