7号竿の製作③
10月22日(月)
前回の
製作②では、糸決め塗りを2度しましたので、いよいよ玉口の削りです。ここで失敗すると、なかなか修正は効かないので、竿としては使いものにならなくなり、今までの苦労が水の泡・・・。慎重にせねばなりません。
まずは前回削った込みの寸法をノギスで計測してメモします。穂持ち(2番)の込みの場合、竿尻が5.2mm、竿尻から約17mmのところで5.4mm、42mmのところで5.6mm、62mmのところで5.8mm、80mmのところで6.0mm、差し込み完了線は竿尻から90mmで6.1+mmとなっています。穴をあける葉ギリが0.2mm単位なので、それにあわせて測っています。
この計測した数字にあわせて、手元(3番)の先端の玉口部に穴をあけます。まず5.2mmの葉ギリで90mmの深さまで、次に5.4mmの葉ギリで73mm(=90mm-17mm)の深さまで、そして5.6mmで48mm、5.8mmで28mm、6.0mmで10mmです。穴をあける時は、深さがわかるように葉ギリにテープを張って印をつけます。玉口削りは以前の
こちらの記事も参考になるかと思います。
そして、葉ギリで穴をあけ終わったら、棒ヤスリで内部の段差を削ります。わたしの場合、竹の網針や竹串を芯材として両面テープで、120番や240番程度のサンドペーパーを貼って使っています。いろいろ試しましたが、これが一番やりやすく、穴径にあわせて棒ヤスリの芯材のサイズも簡単に調整できます。使うサンドペーパーは写真のようなロール状のものです。巻いても折れません。芯材に少しテーパーを付けてからサンドペーパーを張るのも場合によってはよいかと思います。どのようなヤスリを使おうと、ポイントは削る穴の径とヤスリの径が近い方がきれいに削れます。ヤスリの径が小さ過ぎると穴が歪になりやすいです。
慎重に削って、何とか玉口削りが完了しました。まだあとで塗りをするので、その厚みを考えて(特に穂先はコミ途中まで黒色のうるしを塗るので)、やや緩めに仕上げる、あるいは玉口を後で削れる余裕を残しておきます。
そして、ここで実際に竿を継いで見て、曲がっていないか確かめます。この時点では、まだ胴に塗りをしていないので、口糸を巻いた部分以外は、普段通りの火入れが可能です。今回は、穂持ちの込み部分が少し曲がりがでていたので、ヘアアイロンで修正してみました。
修正が完了し、3本を継いでみると、かなりいい感じになっています。
穂先ですが、まずリリアンを付けます。今回は穂先は細く削ったので、サイズは「細」です。リリアンを差し込み、先を結んで、ライターで溶かして固めます。リリアンの下部は段差がつかないように糸をほつれさせ、糸(今回は黒)を巻いていくと完了です。
次に竹の節部分の強化のために同じく糸を巻いておきました。竹の節はこの穂先には2ヶ所ありますが、先端の方だけ強化しました。
今度は、穂先の曲がりをチェックします。3本を繋いで、約50gのオモリをつるしました。矢印の部分が少し太く、曲がりが硬いような気がします。
両方とも軽く削りを入れました。特に元側は竹の節の部分なので、少々太くしていたのですが、0.2mmほど削ってみました。
少しましになったように見えるかどうかはあなた次第(笑)・・・。まあ、実際には大して変わっていなくとも、試して修正してみるという過程が重要な気がしています。
あとは塗りをやって、調整して完成になります。それは次回。
火入れ
7号竿の製作①
7号竿の製作②
7号竿の製作③
7号竿の製作④
7号竿の製作⑤
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