2012年08月25日
平キリとドリル刃
8月25日(土)
昨日の6号竿の記事で、元竿の玉口を失敗したと書きましたが、それは平キリではなく、ドリル刃を使ったことが要因です・・・
。
玉口の作り方ですが、下の図を参照ください。図のサイズは今回の6号竿の3番コミ部と手元の4番の玉口のものです。まず、削ったコミの径を数カ所ノギスで測定し、先端部の径(8.0mm)にあわせて、平キリでコミの長さ(90mm)の深さまで穴をあけます。そして、次に8.2mmの平キリで65mmの深さまで、そして8.4mmで40mm、8.6mmで15mmと順に穴をあけます。
削った後は階段状になっていますので、ヤスリでなめらかに削っていきながら、実際にコミを差し込んで微調整していき、完成させます。ヤスリはテーパーのついていない棒ヤスリがなければ、竹や鉄の棒に両面テープで紙ヤスリを貼って使えば代用できます。うまく削るポイントは、穴の径に近い径のヤスリを使うことです。細いヤスリだと、歪(いびつ)に削れやすいです。

玉口をあける平キリは竿を製作するたびに、不足分を追加で作っており、現在2.6mmから0.2mmごとに7.6mmまであります。ところが、今回は10尺の竿だったこともあり、手元には少々太い竹を使いました。そのために上図のように8.0mmから8.6mmの平キリが必要になったのです。いつも通りに平キリを作ればよかったのですが、少々面倒になり、8.0mmのドリル刃を代わりに使ったのです。するとこんな問題が発生しました・・・
。

見ていただいたそのままなのですが、ドリルの刃は太さが一律で硬いので、遊びがなく、良い意味でも悪い意味でもまっすぐに穴があいてしまうのです。一方、平キリは遊びがあるので、竹の元々あいている穴に導かれながら、その穴を大きくしていきます。つまり、竹が多少曲がっていても、そのように穴をあけていくことができるのです。
今回、実際に玉口ができあがり竿を継いでみると、3番も手元の4番もまっすぐなのに継ぐとなぜ傾くのだろうと・・・
。そう、玉口の穴自体が斜めになっていることに気付いたのです。理由もすぐにわかってしまいました・・・
。
これを少しでも修正しようと玉口を熱して収縮させ、穴の角度を変えることをしていたのです。すると塗装が浮いてしまい、口糸の巻きなおしとなったわけです・・・
。まあ、少しは改善されたので、良しとしておきます。それ以外の部分がかなりいい感じに仕上がったので少々残念ですが、素人の竿ですから、少々の傾きや曲がりは愛嬌です
。
しかし、8mmの穴はその場凌ぎでドリル刃で代用したものの、結局8.2mmから8,6mmの平キリを作る必要があったので、最初から8.0mmも作れば問題は起こらなかったんです。「急がば回れ」です。

今回のように竿を作る場合は、平キリが良いと思いますが、玉柄や竿掛けなら、若干傾いてもどうってことはないので、入手しやすいドリル刃で十分だと思います。玉柄や竿掛けだと穴の径も大きくなり、径の大きな平キリ(たとえば12~13mm)を作ろうとすると、元の炭素工具鋼/ドリルロッドも太いもの(6mm前後)が必要で、焼き入れのために熱する火力も家庭用のトーチでは厳しいと思います。
ご参考まで・・・
。
昨日の6号竿の記事で、元竿の玉口を失敗したと書きましたが、それは平キリではなく、ドリル刃を使ったことが要因です・・・

玉口の作り方ですが、下の図を参照ください。図のサイズは今回の6号竿の3番コミ部と手元の4番の玉口のものです。まず、削ったコミの径を数カ所ノギスで測定し、先端部の径(8.0mm)にあわせて、平キリでコミの長さ(90mm)の深さまで穴をあけます。そして、次に8.2mmの平キリで65mmの深さまで、そして8.4mmで40mm、8.6mmで15mmと順に穴をあけます。
削った後は階段状になっていますので、ヤスリでなめらかに削っていきながら、実際にコミを差し込んで微調整していき、完成させます。ヤスリはテーパーのついていない棒ヤスリがなければ、竹や鉄の棒に両面テープで紙ヤスリを貼って使えば代用できます。うまく削るポイントは、穴の径に近い径のヤスリを使うことです。細いヤスリだと、歪(いびつ)に削れやすいです。

玉口をあける平キリは竿を製作するたびに、不足分を追加で作っており、現在2.6mmから0.2mmごとに7.6mmまであります。ところが、今回は10尺の竿だったこともあり、手元には少々太い竹を使いました。そのために上図のように8.0mmから8.6mmの平キリが必要になったのです。いつも通りに平キリを作ればよかったのですが、少々面倒になり、8.0mmのドリル刃を代わりに使ったのです。するとこんな問題が発生しました・・・


見ていただいたそのままなのですが、ドリルの刃は太さが一律で硬いので、遊びがなく、良い意味でも悪い意味でもまっすぐに穴があいてしまうのです。一方、平キリは遊びがあるので、竹の元々あいている穴に導かれながら、その穴を大きくしていきます。つまり、竹が多少曲がっていても、そのように穴をあけていくことができるのです。
今回、実際に玉口ができあがり竿を継いでみると、3番も手元の4番もまっすぐなのに継ぐとなぜ傾くのだろうと・・・


これを少しでも修正しようと玉口を熱して収縮させ、穴の角度を変えることをしていたのです。すると塗装が浮いてしまい、口糸の巻きなおしとなったわけです・・・


しかし、8mmの穴はその場凌ぎでドリル刃で代用したものの、結局8.2mmから8,6mmの平キリを作る必要があったので、最初から8.0mmも作れば問題は起こらなかったんです。「急がば回れ」です。

今回のように竿を作る場合は、平キリが良いと思いますが、玉柄や竿掛けなら、若干傾いてもどうってことはないので、入手しやすいドリル刃で十分だと思います。玉柄や竿掛けだと穴の径も大きくなり、径の大きな平キリ(たとえば12~13mm)を作ろうとすると、元の炭素工具鋼/ドリルロッドも太いもの(6mm前後)が必要で、焼き入れのために熱する火力も家庭用のトーチでは厳しいと思います。
ご参考まで・・・

2012年08月24日
6号竿
8月24日(金)
久しぶりのへら竿作りの記事です。6号竿ですが、やっとこさ、ほぼ完成です
。

握り手は、いつもより少しシンプルに糸巻きをメインにした握りにしました。手元竿の竿尻の茶色がワンポイントのつもりなんです
。

硬めの7:3くらい、ストレートなテーパーではなく、先へ行くほどテーパーがきつくなる砲弾型を意識して素材を組んでみました
。以前、テーパーと調子で使用したグラフを今回も作ってみました。人から頂いた紀州の竹竿(軟調)と比較してみましたが、だいたいイメージ通り、砲弾型になっているように思います。

実際に曲げてみると、全体的にはなかなか良い感じに見えます。一番気にしていた穂持ちと穂先の継ぎ部分は非常にナチュラルです。ただ、穂先の先部分が少し太いように思えますので、もう少し削ってもよかったかなという感じがします。また、3番と穂持ちの径差が少し大きいので、ここの段差が少々気になります。

明日はこの竿の試し釣りに行こうと思っていたのですが・・・
実は元竿の玉口をちょっと失敗してしまい、少しでも修正しようと口巻き部分を火で炙って矯めなおしていたのですが、まだ塗装が十分に乾燥していないので、塗装が浮いてしまいました。力のかかる玉口部分なので、このままにするとまずボキッと逝ってしまうでしょうから、仕方なくこんな無残な姿になってしまいました
。

糸を巻きなおし、この部分の塗装をやり直します。来週にはなんとか試し釣りができるのではと思っています・・・
。
=======================================
以下、6号竿の仕様メモです。
※ 竿長: 830+830+750+730-(90+80+70)=2,900(約9.5尺)
※ 込み元径: 手元は握り手の先部分、他は各々の竿尻部から込み長戻った部分
(差込み完了部)の太さ。
※ 玉口径: 穂先の込み口径は穂先先端部の太さ(目標)。
=======================================
久しぶりのへら竿作りの記事です。6号竿ですが、やっとこさ、ほぼ完成です


握り手は、いつもより少しシンプルに糸巻きをメインにした握りにしました。手元竿の竿尻の茶色がワンポイントのつもりなんです


硬めの7:3くらい、ストレートなテーパーではなく、先へ行くほどテーパーがきつくなる砲弾型を意識して素材を組んでみました


実際に曲げてみると、全体的にはなかなか良い感じに見えます。一番気にしていた穂持ちと穂先の継ぎ部分は非常にナチュラルです。ただ、穂先の先部分が少し太いように思えますので、もう少し削ってもよかったかなという感じがします。また、3番と穂持ちの径差が少し大きいので、ここの段差が少々気になります。

明日はこの竿の試し釣りに行こうと思っていたのですが・・・

実は元竿の玉口をちょっと失敗してしまい、少しでも修正しようと口巻き部分を火で炙って矯めなおしていたのですが、まだ塗装が十分に乾燥していないので、塗装が浮いてしまいました。力のかかる玉口部分なので、このままにするとまずボキッと逝ってしまうでしょうから、仕方なくこんな無残な姿になってしまいました


糸を巻きなおし、この部分の塗装をやり直します。来週にはなんとか試し釣りができるのではと思っています・・・

=======================================
以下、6号竿の仕様メモです。
(長さ) | (玉口径) | (込み長) | (込み元径) | |
手元(4番) | 830 | 9.9 | n/a | 11.5 |
穂持ち下(3番) | 830 | 7.7 | 90 | 8.7 |
穂持ち(2番) | 750 | 5.1 | 80 | 6.4 |
穂先(1番) | 730 | 1.2 | 70 | 4.3 |
※ 竿長: 830+830+750+730-(90+80+70)=2,900(約9.5尺)
※ 込み元径: 手元は握り手の先部分、他は各々の竿尻部から込み長戻った部分
(差込み完了部)の太さ。
※ 玉口径: 穂先の込み口径は穂先先端部の太さ(目標)。
=======================================
タグ :6号竿
2012年08月06日
4号竿の検証 PartⅡ
8月6日(月)
残念ながら4号竿は折れてしまいましたが、せっかくなので、折れた元竿を検証してみることにしました
。
まず、折れたところですが・・・

節の薄くなっていたところにはパテ埋めしていましたが、やはりそこから折れていました。パテ部を除くと、コンマ何ミリという程度の薄さになっていました。今後口径差が十分にない時は、無理して2本仕舞いにするよりも、安全に3本仕舞いにした方がよさそうです
。
次に込み口部です。以前から、込み口はうまく削れているのだろうかと不安でしたので、ちょうどよい機会です。半分に割って出来具合を見てみることにしました・・・
。

思ったより、なめらかに、そしてきれいに仕上がっていました
。一安心です。
込みをあわせてみました・・・
。

なかなかぴったりいってました
。
4号竿が折れたので、次の6号竿の製作はトラウトロッドではなく、へら竿からスタートすることにしました。ただ、予定していた穂持ちが、節裏が膨れている竹で、どうにも気にいらないので、別の穂持ち用の高野竹に交換することにしました。これは形は良いのですが、新しいので乾燥期間が十分ではなく、火入れに苦労しそうです。穂先の火入れはあと2度ほどで終了。他の元竿と元上はすでに火入れ済みです。次はどんな竿になりますか・・・
残念ながら4号竿は折れてしまいましたが、せっかくなので、折れた元竿を検証してみることにしました

まず、折れたところですが・・・


節の薄くなっていたところにはパテ埋めしていましたが、やはりそこから折れていました。パテ部を除くと、コンマ何ミリという程度の薄さになっていました。今後口径差が十分にない時は、無理して2本仕舞いにするよりも、安全に3本仕舞いにした方がよさそうです

次に込み口部です。以前から、込み口はうまく削れているのだろうかと不安でしたので、ちょうどよい機会です。半分に割って出来具合を見てみることにしました・・・


思ったより、なめらかに、そしてきれいに仕上がっていました

込みをあわせてみました・・・


なかなかぴったりいってました

4号竿が折れたので、次の6号竿の製作はトラウトロッドではなく、へら竿からスタートすることにしました。ただ、予定していた穂持ちが、節裏が膨れている竹で、どうにも気にいらないので、別の穂持ち用の高野竹に交換することにしました。これは形は良いのですが、新しいので乾燥期間が十分ではなく、火入れに苦労しそうです。穂先の火入れはあと2度ほどで終了。他の元竿と元上はすでに火入れ済みです。次はどんな竿になりますか・・・

2012年08月01日
竿製作予定
7月31日(火)
最近、竿作りの記事が途絶えています・・・が、実は裏ではこそこそと進めております
。

いままでの竹竿作りの最大の難点は火入れ
。火入れが不足しているので、釣りに行く度に元の竹のクセがでます。そして、家に帰って軽く火入れをして矯めなおしをしなければいけません。すでにウレタンや合成うるしで塗装済みなので、火入れもきつくできないため、弱火で行っています。それゆえ、なかなか安定しません
。
そこで、素材の竹が放置しても曲がらなくなるまで、何度も火入れをしてから次の竿の製作にとりかかろうと思っています。現在、火入れ作業中の竹で製作を予定しているのはこちら
。

へら竿は、4本継ぎの10尺を予定しています。ビール
を飲んでから火入れした時に少し焦がしてしましましたが、何とかなりそうです。手元と穂持ち下の矢竹はすでに7~8度やりましたので、ほぼ火入れ完了。穂持ちの高野竹と穂先の真竹はまだ少し癖がでるので、あと数度火入れが必要だと思います。来週か、来々週あたりには製作を開始できそうです
。
トラウトロッドは、手元は矢竹でこちらも火入れ完了。穂先は高野竹と孟宗竹の継ぎです。こちらももう少し火入れが必要です。孟宗竹の穂先は以前にへら竿用に削ったものですが、完成直後に磨いていて折ったものを今回再利用しようと思っています。これ以外に、穂先候補として、別に1本ものの細い矢竹もあるので、こちらも検討中。
握り手は、コルクの集成材や木に、籐巻きか糸巻きをする予定です。リールシートは和竿用の500円ほどで売っているものを買う予定だったのですが、写真にあるやつを見つけ、「かっちょええ~
」と思わず購入
。2000円以上したので、適当なルアーロッドを作るには大きすぎる投資となってしましました。ガイドは折れた安物ロッドから移植する予定です。
完成予定は・・・、未定です・・・
。
最近、竿作りの記事が途絶えています・・・が、実は裏ではこそこそと進めております


いままでの竹竿作りの最大の難点は火入れ


そこで、素材の竹が放置しても曲がらなくなるまで、何度も火入れをしてから次の竿の製作にとりかかろうと思っています。現在、火入れ作業中の竹で製作を予定しているのはこちら


へら竿は、4本継ぎの10尺を予定しています。ビール


トラウトロッドは、手元は矢竹でこちらも火入れ完了。穂先は高野竹と孟宗竹の継ぎです。こちらももう少し火入れが必要です。孟宗竹の穂先は以前にへら竿用に削ったものですが、完成直後に磨いていて折ったものを今回再利用しようと思っています。これ以外に、穂先候補として、別に1本ものの細い矢竹もあるので、こちらも検討中。
握り手は、コルクの集成材や木に、籐巻きか糸巻きをする予定です。リールシートは和竿用の500円ほどで売っているものを買う予定だったのですが、写真にあるやつを見つけ、「かっちょええ~


完成予定は・・・、未定です・・・
